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2024年米大統領選の行方

2024年3月12日

市場調査室 室長 チーフアナリスト

溝上孝

 

 先週3月5日に行われたスーパーチューズデーでドナルド・トランプ前大統領が対立候補のニッキー・ヘイリー元国連大使に勝利したことで同氏が共和党の大統領候補となることが事実上決定され(正式には7月15日から開催される共和党全国大会での指名を以て決定)、11月5日の本選挙では現職のジョー・バイデン氏とトランプ氏の一騎打ちという前回2020年の大統領選挙の再現となることが確実視されている。 

 マスコミの報道においては激選州(アリゾナ、ジョージア、ミシガン、ネバダ、ペンシルバニア、ウイスコンシン、ノースカロライナ各州)での世論調査でトランプ氏がリードしていることを理由に「もしトラ(もしもトランプが大統領になったら)」から「ほぼトラ(ほぼ大統領はトランプ)」に転じ、トランプ氏優位の予想に傾きつつあるようにも見られる。 

 現段階でどちらが勝利するのかを予想することにはあまり意味があると思えないが、筆者はバイデン氏に十分な勝機があると見ている。 

 同氏の最大のウイークポイントは81才という年齢であると言われているが、対するトランプ氏も77才と4才しか変わらない。またバイデン氏が3月7日に議会で行った一般教書演説では1時間を超える長丁場を見事に乗り切り議場を圧倒、「高齢であるが故に果たして説得力のある主張ができるのか」という不安をかなりの程度払拭するのに成功している。 

 

 選挙の争点はこれまで経済、特に高水準のインフレがトップに挙げられていたが、最近になってこれが移民問題にシフトしつつあると言う。バイデン氏が(正確にはFRBが)インフレを上手にコントロールしているということが広く国民にも認知され始めたということではないだろうか。足元インフレが収束する一方で景況感の過熱もなく、景気後退無きソフトランディングが現実のものとなりつつある。これを反映して各主要株価指数も最高値を更新している。 

 本選挙まではまだ8カ月あり、状況に変化があり筆者の見立てが変わるようであれば本ブログでまた報告したい。