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選挙イヤーの始まり、台湾、アメリカ、日本?

2024123

市場調査室 室長 チーフアナリスト

溝上孝

 

台湾の総統選挙と立法院選(国会)113日に行われた。総統選に関しては与党民進党の頼清徳氏が当選する一方で、立法院選で民進党は単独過半数を失い、野党第一党の国民党、第二党の民衆党が議席をともに伸ばしたことで、立法府・行政府の「ねじれ」状態となった。ある意味民意のバランスを取った形になっている。

台湾はこれまで1996年の第1回総統選以来8年ごとに政権が変わるというジンクスがあったが今回これが初めて破られたことになる。長期政権に伴う独裁・腐敗を防ぐといういわば民意による政権の自浄機能がこれまで作用してきたわけだが、「例え政権が8年以上与党であり続けても独裁化・利権の固定化が起きないであろう」という有権者の自信が今回の選挙で具現化されたと言えよう。

中国との関係は現状維持という現政権の方針が改めて確認された結果となったが、特筆すべきは72%とう高い投票率である。片や我が国の国政選挙の投票率は50%台半ばと低下傾向が近年著しいことと比較すれば、台湾の民主主義の健全性が際立っているように思える。

 

また1月15日には米共和党の党員集会が中西部のアイオワ州で行われ、事前の世論調査の結果通り、トランプ前大統領の圧勝となり、71518日に開催される共和党全国大会に向けて弾みをつけた。121日にはデサンティス フロリダ州知事が候補者指名争いから撤退することが明らかになったことで、共和党予備選挙はトランプ氏とヘイリー元国連大使の2名に絞り込まれたことになる。

トランプ氏はアメリカ・ファースト、国内重視、反自由貿易を標榜、新しい共和党を体現し、一方ヘイリー氏は小さな政府、同盟重視、反共産主義、経済活動重視の伝統的共和党を体現、その政治イデオロギーは真っ向から対立している。

米国の調査会社ユーラシア・グループが先日発表した今年の10大リスクの第一位は「米国の敵は米国」であるが、上記アメリカ政治の分断は正にこれを如実に表していると言えよう。

 

番外であるが、岸田首相は自ら所属する派閥の解散を発表、安倍派、二階派もこれに続き、政局は混迷している。岸田首相はある意味吹っ切れた感もあり、通常国会の会期末である623日の衆院解散もあり得ないことでは無くなってきているようだ。