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2024年、ドル円相場を予想する

20231212

市場調査室 室長 チーフアナリスト:溝上孝

為替相場には株式や債券と違ってフェアバリュー(公正価値)というものが存在しない。故にしばしばオーバーシュートする。127日の植田総裁の国会発言でゼロ金利解除前倒し観測が高まり、ドル円は147円台から141円台まで実に6円急落、翌8日の米雇用統計の結果を受けて145円台まで4円戻したのはまさにそれである。為替レートの適正値というものは誰にも分からないのである。

ここ1,2年の傾向として円は主要通貨の中でもトップを争う最弱通貨ぶりであり、今年に至っては円より弱い通貨はトルコリラ、アルゼンチンペソぐらいと言われている有様だ。また実質実効為替レートで円は1970年代以降での最安値が続いており、輸入インフレや内外価格差にそれが如実に表れていることが実感される。

 

来年は金融政策の方向性の違いにより、日米金利差の縮小を材料にドル円相場を現在の水準よりも円高とみる市場参加者が多い。筆者もそれには異論をはさむつもりはないが、それでもドル円の下値は限られていると予想する。すなわち一時的に140円台を割り込む場面があっても、140円を下回る水準を維持していくのは難しいと考えている。

 

日本は金利正常化の方向にあるとは言え、そのスピードは緩やかであり(Lower for Longer)米国の金利は景気の底堅さから下方硬直的になると予想する。また需給面からもかつてのように日本は輸出により貿易黒字を稼ぎ出す経済構造にはなく、ドル不足が継続していくものと考えられる。

更に言えば今回の防衛増税時期の先送りにみられるような財政規律の緩みからくる悪い金利上昇、円安の進行も場合によってはあり得ない話ではなくなってきているように思う。

 

2024年 現時点でのドル円予想レンジ

137.00-155.00 

※上記見通しは現時点での予測であり、将来の動きを約束するものではございません。今後の経済情勢や各国の金融政策の変更等により、予測レンジは変わります。