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不人気な政治家
NHKが13日発表した世論調査によると、岸田内閣の支持率がついに30%を割り込んだ。「増税メガネ」と揶揄される岸田首相が起死回生の一手として打ち出した所得税減税に対しても国民からそっぽを向かれてしまった。支持率が振るわないのは米国も同様でバイデン大統領の支持率もイスラエル・ハマス紛争の勃発以降、就任以来最低水準となっている。ドイツでも極右政党の台頭を許すなどショルツ首相率いる中道左派の社会民主党の支持率は20%以下に低迷している。いずれの国も有権者の最大の関心事はインフレ対策である。政治家が有権者に対してインフレへの明確な処方箋を提示していないということであろう。
ポスト冷戦時代、いわゆるグレートモデレーション、すなわち低インフレと低金利が続いてきたが、新型コロナショックを契機にそれが終焉、各国政府・金融当局はインフレ対策に正面から取り組むことになった。当然のことながらそのアプローチは各国の事情によって異なる。過去の経験則がその解決に必ずしも通用しない困難な時代の中、不人気な政治家による統治が暫くは続くように思う。