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国運「40年周期説」

20231220

市場調査室 室長 チーフアナリスト 溝上孝

 

日本の国運40年周期説というものがあるという。双日総合研究所の吉崎達彦氏がその著書「1985年―新潮新書 2005年初版」にて冒頭それについて触れている。

要約すると以下の通りである。

 

1868年から1904(明治維新から日露戦争まで)上り坂

1905年から1945(日露戦争後から第二次世界大戦の終戦まで)下り坂

1946年から1985(戦後からプラザ合意まで)上り坂

 

1986年以降はバブル経済とその崩壊、そして失われた30年と続く。

もっともこの説自体はいわゆるアノマリーとも異なるし、根拠を説明することは不可能だ。

ただ面白いのはこれによれば再来年の2025年から日本は3度目の上昇期に入ることになる。

筆者はあながちこれが見当外れではないと考えている。今年に入ってから日本経済の復活を示唆する事象は枚挙に暇がない。すなわち日経平均株価は先月バブル経済崩壊後の高値を33年ぶりに取引時間中に更新していること、インフレ率が第2次オイルショック以来の上昇率となる一方で平均賃上げ率は30年ぶりの高水準となったこと、2023年上半期の企業決算は3年連続で過去最高を更新していることなどである。日本経済を長期間苦しめてきたデフレからの脱却がようやく実現しようとしている。
来年以降もこの流れが継続し、国運40周期説の通りに遠からず日本の3度目の上り坂が始まると想像を巡らすのも一興である。

参考文献 吉崎達彦著「1985年―新潮新書 2005年初版」新潮社